秋葉原の歩き方
はじめに
お久しぶりです。今期GUTにて即売会担当・演奏会担当を務めておりましたドナウです。演奏会にお越しいただいた方にとっては演奏会ぶりだと思います。
さて今年も行われることになったアドベントカレンダーですが、一年の振り返りみたいなことは他の方々がいっぱいやってくれているので、それとは違う方向でちょっとためになるようなこと(ホントか?)でも書こうと思います。
題して 「秋葉原の歩き方」 です。
秋葉原の現在
秋葉原といえば、オタク――
そんなイメージが定着して長い年月が経ちますが、2025年末現在の秋葉原駅電気街口に降り立つと我々の想像する「オタクの街・秋葉原」とは少々異なる風景が広がっています。まず、何と言っても人が多い。それも日本人だけでなく、外国人観光客も多いです。駅前には洒落た広場や高いビルがあり、これまたごった返している中央通りにはコンカフェ嬢が立ち並ぶ……。
そう、かつての秋葉原が纏っていたアングラ性は剝ぎ取られ、見事に観光地化されてしまいました。「オタクがオタクであった頃」(私はこういう表現をよく使います。概ね90年代から2010年代前半くらいです)の秋葉原と今の秋葉原は、一見すると似ても似つかないでしょう。
しかし、往年のアングラなオタク文化は、現在の秋葉原にもかろうじて生き残っています。今回はそんな一昔前の秋葉原を感じることができるお店を紹介しようと思います。
①ソフマップAKIBAアミューズメント館
電気街口から中央通りへ出て右折すると、すぐに見えてくるのがソフマップAKIBAアミューズメント館です。ここはフィギュアやプラモ、ゲームソフトなど満遍なく売っていますが、どちらかというと新品が中心です。
特にビジュアルノベル(ここではノベルゲー・ギャルゲー・エロゲー等の総称とします)の品揃えが豊富で、新品と中古品でフロアが分けられています。往年の名作が手に取れる所にあったり、ガラスケースに陳列してあったりして、何とも感慨深いです。
ソフマップもソフマップで多く取り揃えているんですが、品揃えの豊富さの面では後述するトレーダーの方に軍配が上がると思っています。
②トレーダー秋葉原本店・2号店
ベルサールに差し掛かるまで中央通りを北上し、近くにある横断歩道で対岸に渡ってまた少し北上すると、トレーダー秋葉原本店に着きます。
ここは主に中古品を扱っているお店で、扱っている品も幅広いのですが、ソフマップに比べると「オタクっぽさ」のある品が多いような気がします。ビジュアルノベルだけではなくレトロゲームや円盤も多く扱っており、PCゲームのフロアである6階は、さながらPCゲーム(主にビジュアルノベル)の辿ってきた歴史を展示する博物館のような様相を呈しています。PC98用のソフトとかがその辺にしれっと置かれています。
トレーダーの特筆すべきところはそれなりの規模の別店舗(トレーダー2号店)が秋葉原にあるという所です。こちらは総武線の高架沿いをお茶の水方面に歩いていくとたどり着きます。こちらは主に円盤とフィギュア、PCゲームが中心です。本店に無かったら2号店にあったり、その逆もあったりするかもしれません。
番外:アキバホビー秋葉原店
ここは特に今回の目的に沿っているというわけでもないので番外としました。一番近くの対岸に渡れる横断歩道から対岸に渡り中央通りを北上していくと、サイゼリヤやスシローが入るビルが見えてきます。そこを左折してすぐのビルの6階に、アキバホビー秋葉原店があります。去年までこのビルの3階に「げっちゅ屋」というお店があったのですが、撤退してしまいました。悲しいなぁ……。
さて、アキバホビーは東方関連の品揃えが豊富です。ここに行けば原作は手に入ります。ZUN’s Music Collectionも即売会限定品を除けば全部手に入ります。二次創作ゲームやグッズもそれなりにあります。
ここは展示棚も旧作や神主のサイン入りの原作があって、これらは無論非売品ですが見ているだけでも興味深いです。店員さんがホワイトボードに描く絵は毎度クオリティが高く、たまにクスッとさせられるようなものもあります。画像は去年の七夕坂が出た直後に来店した時に撮ったものです。
③駿河屋秋葉原本館
アキバホビーから西に2ブロックほど進み、左に曲がって南に進んでいくと、駿河屋秋葉原本館があります。秋葉原にはいくつか駿河屋の店舗がありますが、「オタクらしい」物品を漁りたいならここがオススメです。新品・中古品共々ソフマップやトレーダーには物量の面では劣りますが、特に中古の「掘り出し物」がたまにあります。トレーダーやソフマップで買うよりも何故か安い価格で変えちゃったり、どこを探しても無かったような作品があったりするのです。そのため私が秋葉原に来たときはいつも立ち寄るようにしています。
駿河屋も秋葉原に複数の店舗を構えていて、ビジュアルノベルを探すなら本館が一番ですが、同人誌やフィギュアや同人誌なら駅の南にある秋葉原駅前店、
コンシューマーゲームなら本館より北にあるゲーム館といったように、それなりの規模のお店を分立させて品揃えの幅広さを確保しています。
④まんだらけ
駿河屋秋葉原本館から少し南下すると、高いビルが見えてくると思います。そこがまんだらけ(まんだらけコンプレックス) です。ここは割と有名だと思います。窓のない外観からして現在の秋葉原にしては異彩を放っています。だがそれが良い。ここは主に中古品が本当になんでもありますが、私は主に円盤を漁りに行くことが多いです。円盤以外だとビジュアルノベルは少な目ですが、同人誌はたくさんあります。
最近、前からあった店舗のほど近くに別館(まんだらけコンプレックス2)ができました。円盤やカードはこっちです。
⑤秋葉原ラジオ会館(K-BOOKS)
まんだらけから中央通りに戻り、総武線の橋脚をくぐって秋葉原駅の方へ歩いていくと、シュタゲにも出てくる秋葉原のランドマーク、ラジオ会館が見えます。改装を経ても看板が変わらず良い味出してますね。ここにはK-BOOKSがあります。主に中古品のグッズが買えるのでお財布に優しいです。人は多いです。
なぜこんなにも記述が薄味なのかと言えば私があまりグッズとかを買う人間じゃないからですね
⑥夢織屋1号店
最後にご紹介するのは、秋葉原駅からは少し離れたところにある夢織屋です。ラジオ会館から中央通りに出て万世橋を渡り左折して、そのまま通りを東に進み、「神田ふれあい通り」交差点を左に曲がるとあります。
ここはいわゆる「平成レトロ」を扱うお店で、平成のオタクカルチャーに縁のあるグッズを漁ることができます。おそらく店主の好みなのでしょうが、『サクラ大戦』関連のグッズに強いです。ただそれだけでなく、幅広いジャンル・作品をカバーしています。東方然り、葉鍵作品然り、艦これ然り……致死量の「平成」を浴びることができます。店主も筋金入りのオタクなので、会計などで話してみると楽しいですよ。というか話しかけられます。私は話しかけられました。TYPE-MOON BOOKS版Fate/Zeroを全巻買ったので虚淵がどうのとかそういう話をした記憶があります。
ともかく、ここまで巡ったお店の中で一番「一昔前の秋葉原」の空気に浸れると思います。
おわりに
昨今のオタク趣味はライト化・多様化し、それに伴って秋葉原も表面的には万民受けするような観光地へと変わりました。しかし全てが変わったわけではありません。観光地として脱色された部分に隠れてこそいますが、一昔前のような秋葉原の要素はそこかしこに残っています。万民受けもせず、かつての秋葉原にも無かったような要素もあります。要は秋葉原も多様化したのです。秋葉原に来る人がどのような「秋葉原」を求めるかによって、秋葉原の見方・巡り方は変わってきます。このガイドも人によっては全然ためにならなかったということもあるでしょうし、あるいは私も知らないコアな場所を巡っていたり、そもそもコンカフェに行くためだけに秋葉原に来ているという方も読者の中にはいるかもしれません。
それでも私は私のような趣味嗜好を持つようなオタクに向けて、このガイドを届けたいと思います。秋葉原が思っていた姿と違っていたとしても、よく目を凝らしてみれば気に入るような要素がきっと見つかる。秋葉原は楽しくもあり、奥深い街なのです。
この案内が役に立っても、立たなくても、是非読者の皆さんなりの秋葉原の楽しみ方を見つけてみてください。
明日はB1のXenon君の記事です。お楽しみに!