The Chronicle of GUT

書いた人: ふぇぶりゅう

こんにちは、9回生のふぇぶりゅうです。
自分の記憶が正しければ2017年から始まったはずのアドカレ企画、毎年やるやる詐欺をして結局書かずに過ごしておりましたが、ついに今年度修了ということで後輩から名指しで書けと言われてしまったので拙筆をとる次第です。

内容も特に思いつかなかったのですが、最後なので2011年創部のGUTの歴史の2/3程を過ごしてきた者として、この10年のGUT(+ちょっと大学東方)の活動の変遷やトレンドを自分の思い出とともに振り返っていこうと思います。

2015年度

この年の私はまだGUTに入部しておらず、仮面浪人していた大学で東方慶庵郷という東方サークルに入っていた。といっても東方慶庵郷の日々の活動(「たまり」と呼ばれる空き教室での交流)にはあまり参加せず、大きなイベントに顔を出すのがメインだった。というのも入学当初の私は原作にどっぷりハマっており、下宿先が近いこともあって、たまりに行く空きコマがあったら一時帰宅して原作を進めていたからだ。その甲斐あって秋頃には紅魔郷と妖々夢の2作品でルナティックをクリアし、自分の原作熱は一旦の収束を見た。

原作熱が収束したら勉強をするかと思いきや、今度は祀爭録熱が入ってしまう。もともと慶庵郷の交流会でやってどハマりし、自分でもプレミアがついた高価な祀爭録を探し回って4箱揃えるぐらいには好きだったのだが、前期は人を集める機会が少なくそんなにやっていなかった。しかし後期になり、自分が慶庵郷とは別に入っていたイラストサークルの部室に何故か祀爭録が全て揃っていることが判明してしまう。それからというものその部室に入り浸り、誰かいれば「ドミニオンやろうぜ」(当時祀爭録のことは原作のドミニオンで呼んでいた)と声をかけ、受験勉強どころか講義すら切って祀爭録をする悲しきモンスターと化してしまった。

なおこの年の春休みに今日まで続く大学東方合同合宿の記念すべき第一回が開催されている。自分は第二回から第七回まで(第四回を除く)参加しているが、初めはGUTや慶庵郷を中心としたメンバーで人数も少なく、身内旅行のような感覚だったものが、大学東方サークルの乱立と共に大規模化し、いい意味で混沌としていく様は中々愉快であった。

2016年度

2016年4月、数々の障害に苦しみながらもなんとか東大に入学した私は、大きな期待とほんの少しの不安を胸に晴れてGUTの一員となった……と感傷に浸りたかったのだが、実際にはそんな甘酸っぱい感傷はなく呑気に入部した。というのも前年度に慶庵郷に入っていた私は大学東方サークルの勝手もある程度知っていたし、サークル同士の交流でGUTの知り合いもいた為、既に知り合いがいるサークルに途中入部するような感覚であった。幸か不幸か私の語学クラスは奇跡的にGUT同期が3人おり、暇さえあれば部室を開けて三角形になって祀爭録をやっていた。実は前年度まで正式なGUT活動日は週2と決められていたらしいが、我々があまりにも頻繁に部室を開けるため、なし崩し的に日曜日以外全部活動するサークルになってしまったらしい。

この年の活動は原作よりもボードゲームが中心であった。常に人気のあった祀爭録を中心に、幻想郷闘乱記、東方独占録、東方幽園桜宴などいろんな東方ボドゲが流行っていた。特に東方牌を使用した描け麻雀は空前のブームになり、あまりに負債が量産されるため、禁酒令ならぬ禁麻令が出たこともあった(現在8年の時を経てこの状況が再現されているのを見ると「歴史は繰り返す」とはよく言ったものだとしみじみ感じる)。

部室活動以外で特筆すべき点として、この年初めて開催されたGUT合宿がある。行き先は愛知にある萃夢荘で一泊二日の旅行だった。この頃のGUTでは画面隠しインペリシャブルシューティングが流行っており、7割ぐらい隠された萃夢荘のプロジェクターで酒を飲みながらインペリをとるというシュールな光景に、東方好きの旅館の主人も困惑していたのが思い出深い。

萃夢荘のご馳走
萃夢荘のご馳走

2017年度

2016年度末から徐々に部室で原作をする光景が日常になり、私自身も仮面浪人前期以来の原作熱が再燃する。最初はルナクリアやExNNから始まり、2017年度前期あたりは皆が競って初LNBに執念を燃やしていた。私の初LNBは2017年6月29日の妖LNBだが、同日にもう1人先輩が達成し、2人で喜び合っていた。また、DDR原作や画面隠し、上下封印などの変則プレイも度々見られるようになり、以降も時々のトレンドはありながらもGUT内で一定の人気を誇っていく。この年は新入生が多かったこともあり、2人が座ってLNCやLNBを目指している後ろで、他の人がアドバイスをし、さらにその後ろでは祀爭録の卓が立ってるといった感じで、非常に活気のある部室であった。

この年は運営代だったのだが、私は何故か無職だった。後で聞いた話によると、二次創作サークルの方で忙しかった(?)私に同期が配慮してくれたらしい。とはいえしょっちゅう部室にいるくせに何の仕事もしないのもアレなので、非公式ながら合宿担当ということで夏休みに遠野合宿を企画した。わざわざ遠野にした理由は慶庵郷の合宿で京都と諏訪は行っていたという企画者都合のものだったが、かなりの数の新入生が参加してくれ、日程も2泊3日にしたというのもあって、大きなイベントになった。遠野市内の観光はほぼ全員レンタサイクルでGUTのチャリがマヨヒガ橋やらデンデラ野やらカッパ淵やらを行き交っていたし、自分が選んだ宿が竜宮城並みに次々料理が出てくる宿でのちに食いトレ宿として語り継がれる事になるなど、色々と思い出深い合宿であった。

デンデラ野のわらのや
デンデラ野のわらのや

その他のイベントとしてこの年以降不定期ではあるが花映塚大会が開かれるようになった。参加者はGUT数人〜十数人に時々外部のシューターがゲスト参戦する感じの小規模なものだが、こういったところでも前年度と比較して格段に原作サークルの色が濃くなっている。

2018年度

この年も新入生が豊作であり、アクティブ部員が多かったこともあって、前年にもまして部室が賑わっていた。活動内容は相変わらず原作と祀爭録が主だったが、どちらも大幅にレベルが上がり、原作はLNBer〜LNNerクラス、祀爭録はドミニオンオンラインのランカークラスが部室にいた為、部員全体のレベルも底上げされていった。

この年に始まったイベントとしては3人チームで6面を通すリレー原作大会がある。何を隠そう発案者は私なのだが、詳細なルール策定やら参加者の実力を考慮したチーム分けやらの作業が結構楽しく、本番も2台あるPCを活かしたリアルタイムの対戦でチームも観客も盛り上がっていたので、我ながらイベントとしてはかなり成功したのではと思っている。リレー原作大会は主催者を変えながら4回開催されているが、コロナ以降は止まっているので、ここらで誰か開催しないかなと密かに思っている。

当時のトーナメント表
当時のトーナメント表

だがこの年のGUTのトレンドを語る上で何より外せないのは音楽ゲーム、特にチュウニズムである。もともとGUTは音ゲーサークルとの兼サーも多く、一定の人気があったが、この年は私も含めてプレイヤーが急増し、部室の後にゲーセンに行ってチュウニズムというのが(少なくとも私は)日常になった。神楽坂のゲーセンのチュウニズムを借り切ってのGUT交流戦も定期的に開催され、毎回十数人の参加者で紅白戦を行っていた。私はGUTチュウニズム勢の中ではレートが下の方だったが、地雷譜面を使って一度だけかなり格上に勝ったのがとても記憶に残っている。

2019年度

この年はやや新入生が少なかったが、2、3回生が多く部室に残っていたため、部室の騒がしさはあまり変わらなかった。活動内容も時々マイナーボドゲが流行ったりしたが、大きな変化はなかったと記憶している。

この年の春に一躍人気を集めたのがクイズアプリのみんなで早押しクイズ、略してみんはやである。東大生特有の雑学付きに加えて、東方に関する早押しクイズを自作して、アプリを使って部員に解かせる会も流行り、急にSlackでの交流が活発になったりもした。私も一時期熱中し、求聞史紀やアプリの東方百科等を読み漁って、徹夜で問題を作っていたのが懐かしい。一時期のGUTの熱狂的なみんはや熱は長続きしなかったが、その後のアップデートで知らないユーザーの問題を解くことができるようになり、暇な時に東方クイズ会に潜る姿は度々目撃された。

この年の大きなイベントとしてはGUT上海旅行がある。合宿ほどの規模ではないものの、有志数人が集まり3泊4日の日程で訪中した。実は私はこの時が初の海外旅行だったので、お上りさんみたくキョロキョロしながら上海のビル街を歩いていた。丁度現地に部員の親戚がいた為、その方に案内してもらいながら観光することができ、海外旅行としては短かめながら非常に濃密な4日間だった。

上海の高層ビル群、この後雲中の上海タワーに登る
上海の高層ビル群、この後雲中の上海タワーに登る

2020年度

さて2020年である。ご存知のようにこの年の春にコロナ禍が始まり、GUTの活動も激変した。約1年間部室に入ることはできず、オンライン(Discord)での交流が主となった。当然新入生も少なく、多くのサークルと同様に存続の危機に立たされた。

この年の活動として記憶に残っているのはGUT主催のリプレイ提出形式のオンライン原作交流戦である。参加者には他の大学東方サークル部員やこの年のGUT新入生もおり、チーム戦ということもあって大いに盛り上がった。GUT主催の原作大会としてリプレイ提出形式のものはこの1回だけだと記憶しているが、本番一発勝負とはまた違った楽しみ方ができるので、今後の開催にも期待している。

この年も後半になる頃にはGoToトラベル等でお得に旅行ができるようになっていたが、流石にサークルの公式活動として大々的に合宿に行くことはできず、代わりに仲の良い部員を誘って少人数で温泉旅行やスキー旅行等に行く機会が多くなった。GUT公式の活動ではないので詳細は割愛するが、コロナ以降かえって旅行機会が増えるというのも中々面白いものである。

2021年度

2020年度末から部室が解禁され、少しずつ以前のような活動が可能になった。ただ部員のボリュームゾーンである2017〜2018年度入学組の多くは本郷におり、新入生も前年よりは増えたものの多いとは言えなかったため、部室の平均人数はコロナ前より大きく減少した。そのため、特に決めていたわけではないが、なんとなく人が集まる曜日ができ始め(本郷勢も来れる土曜日が多かった)、集まってボドゲをやるというのがメインの活動であった。なおボドゲはいつもの祀爭録ではなく、東方幽園桜宴やタイヨウノハタケ、東方版コードネームなど多人数でできるものがメインだった(このチョイスは私が入学したての頃に遊んで特に面白かったものを新入生に教えていたのでかなり恣意性がある)。

一方で人が少なく以前のように原作PCが埋まることが少なかったため、人が少ない時はもくもくと原作に勤しみ、人が集まってきたらボドゲに参加するという部室常駐勢も私を含め2、3人はいた。当時私はTWCなどの影響もあって本格的にLNN機体数を増やし始めた時期であり、さらにまだ自宅の原作環境が整っておらず打開の中心が部室PCであったためこの年はかなり原作が捗った。今だに私の最高到達地点となっている紅LNNもこの年の暮れに達成したものである。

紅LNN、GUTらしい写真がないのでただの自分語り
紅LNN、GUTらしい写真がないのでただの自分語り

2022年度

この年の活動内容はほとんど前年度と同じであった。ただしこの年の新入生は部室勢が少なく、前年度以上に人の少ない閑散とした部室であった。前年度入学組が本郷に行った後半に至っては、ほとんど私が原作をするためだけの部屋といっても過言ではない状況だった。あまりに人がいないので、自分のドラムセットを組み立てて原作の合間に練習したりもしていたが、それを組み立てっぱなしにしていても気づかれないぐらいには独占状態であった。2021〜22年度の人の部室の少なさについては、コロナによる断絶でやむを得ない部分もあったが、私を中心としたコロナ以前からのメンバーがもう少し部室の楽しみ方を上手く伝えられていたら、また違う様相を呈していたかもしれず、個人的にはやや反省と後悔が残る年となっている。

マジで書くことがないので、この年の私の原作打開について書こうと思う。この年はTWCの妖々夢NBに出場したこともあり、11月ごろまでは妖LNNNの機体埋めをしていた。魔理沙2機体については中国プレーヤーからケイオス弾消しパターンを輸入していたが、恋符だけ全然通らず3ヶ月ぐらい1ミスに苦しんでいた。この辺のリプレイも当然部室PCに残っているのだが、恋符LNNNリプレイは妖夢戦で誤ってフルパワーになり弾消しパターンを台無しにした上、反魂蝶の動きが緊張でぎこちなさすぎるので、暇な部員は見てみると面白いかもしれない。なおLNNN6機体は全て一人で部室にいるときに達成しているため、毎回人目を気にせず踊り狂っていた記憶がある。

2023年度

この年を境にコロナ後のGUTは大きく変わる事になる。5年ぶりに新入生が豊作となり、部室に人がいて活気があることの相乗効果で多くがアクティブ部員として残ったため、一気にGUTとしての活動が活発になる。部室にはコロナ以前のような原作と祀爭録が同時開催されている光景が戻り、開いている頻度も激増した。この年再開したこと、新たに始めたこととしては、諏訪を皮切りに再開した合宿やプロジェクター・3台目PCの導入など枚挙に暇が無いが、個人的には二つの活動が印象的であった。

一つ目はGUT登山部の発足と富士山登頂である。元々東方サークル自体アウトドア系の人間が多く、野外活動と相性のいいサークルではあるが、流石にGUT8年目にして富士登山、それも最もハードな御殿場ルートで登頂することになるとは夢にも思っていなかった。正直登る前は全員ちゃんと登れるかかなり不安だったのだが、紆余曲折ありながらも全員無事に登頂・下山することができ、記念すべき第一回GUT登山は成功裏に終わった。私自身1泊2日のちゃんとした登山は初めてであり、大学生活全体の中でも非常に楽しい体験だった。

登頂〜
登頂〜

二つ目は駒場祭での団子屋出店である。GUTの学祭での活動といえば長らく演奏会であったが、この年の駒場祭ではそれに加えて鈴瑚にあやかった団子屋を出店しており、正直我が後輩ながらモチベ高すぎだろ、と感心していた。当日は私も団子を作っていたが、学祭での店番が5年半ぶりだったので懐かしすぎて感動した。噂によると部の会計としては赤字だったらしいが、以降の学祭で企画の内容や提供物などは改善されており、最初の一回としては十分な成果だったと個人的には思っている。

2024年度

一度活発な代が入るとその後の新歓も成功しやすく人数が安定するというのは大学サークルあるあるだが、今年も例に漏れずそこそこの新入生が入っている。今年はむしろ私の方が忙しくて部室に行けておらず、詳細な様子は不明だが、時々覗いてみた感じだと前年同様の活気を保っているようである。

今年の印象としては兎に角イベントが多いことである。私も半分程しか行けていないので全容は分からないが、夏合宿が2回あったことに始まり、山に登ったり、星を見に行ったり、花映塚対戦をしたり、美術館に行ったり、廃墟に行ったり、映画を見たり、雀荘に行ったりと、もはや何サークルか分からないぐらいいろんなイベントが開催されている。秋頃からは全ての休日に何かしらGUTのイベントが立ってるぐらいの勢いで、後輩たちの企画モチベーションに圧倒されるばかりである。私ももう少し暇な学年だったら毎日参加していたかもしれないが、生憎そこまでの暇はなく、毎日研究に勤しみながら活発なDiscordを見守っている。

五月祭の上海紅茶館
五月祭の上海紅茶館

あとがき

うおおおお書き終わったあああ!!!!現在12月24日午前9時15分(徹夜明け)です。
アドベントカレンダーごときに時間かけすぎじゃない??

当初は各年の部室の様子や流行ったことを事務的にまとめる記事の予定だったのですが、いざ書き始めると駄文だと分かっていても成り行きとか感想とか書きたくなる性分で、まあまあな長文が錬成されてしまいました。結果的にタイトルで「クロニクル」と銘打った割には主観的な文章になっており、網羅性に欠ける部分も多々ありそうですが、小中学生の9年間の日記みたいなもんだと思って大目に見てください。
いい機会だしGUT以外の東方関連活動(創作関連とかTWCとか)のことも書こうかと思いましたが、流石にバカ長くなるので早々に諦めました。修了前に暇があれば何かに書くかも。

A merry Christmas, Bob!